ミック・ジャガーとヒールアップシューズ——「女性がヒールを履くなら、なぜ私はダメなのか」
ミック・ジャガーは、このリストの中で最も特異な存在だ。
トム・クルーズやシルヴェスター・スタローンが「高く見せること」を目的としてヒールアップシューズを使う一方で、ジャガーはそもそもその問いの立て方を変えてしまった。「女性がヒールを履いていくつかセンチを稼えるなら、なぜ私はいけないのか」——ローリング・ストーンズのフロントマンは、この言葉を何度も繰り返した。
身長を「補う」のではなく、「選ぶ」。その発想の転換が、ジャガーをこのテーマの最も鋭い体現者にしている。
ロック史上、最も研究された「靴の男」
ジャガーの身長は公式には178cm。ローリング・ストーンズのメンバーの中では最も背が高い。にもかかわらず、彼は一貫してヒール付きの靴を選び続けた。
その理由の一つは、交際相手との身長差だ。デザイナーのL’Wren Scott(身長188cm)とのロンドン映画プレミアに、ジャガーはかかとを高くしたNike Air Maxを履いて現れた。それでも身長差は縮まらなかったが、彼はそのことを一切気にしなかった。
ジャガーにとってヒールは、コンプレックスの産物ではなくファッションの選択肢だった。
「シルエットと色」——ステージ哲学としての靴
ジャガーの靴への姿勢は、ステージの哲学そのものと直結している。Another Man誌のインタビューで彼はこう語っている。「15,000人の会場で演奏するとき、シルエットと色が必要だ。スカーフでも帽子でも、何か目を引くものがなければならない」 South China Morning Post
靴はそのシルエットを作る要素のひとつだ。1964年のローリング・ストーンズの写真には、ヒール付きのチェルシーブーツを履いたジャガーが写っている。サン・ローランのキューバンヒールブーツは、彼が最も長年愛用したスタイルのひとつだ。
高さを「哲学」にした男
伝記作家フィリップ・ノーマンはジャガーについてこう記している。「彼は女神たちと交際した。それによって身長は魅力とは無関係だということを証明した」 Celebheights
ミック・ジャガーが示したのは、ヒールアップシューズが「小さい人のもの」ではないということだ。178cmの男が、より高い視点を選ぶ。それは戦略であり、表現であり、ロックの精神そのものでもある。
自分の立ち位置は、自分で決める。